ふるさと納税の限度額はどのシミュレーターが正しい?金額が違う理由
同じ年収を入れたのに、サイトによって上限額が数千円違う。調べた方なら一度は当たる場面です。
どれかが間違っているわけではありません。前提の置き方が違うだけです。何が違うのかを知れば、どの数字を使えばよいかも決まります。
違いが生まれる3つの理由
1 社会保険料をいくらと仮定しているか
上限額の計算には社会保険料の金額が必要です。ところが社会保険料は、年齢、加入している健康保険、お住まいの地域、扶養の有無で変わります。年収だけでは決まりません。
そこで簡易シミュレーターは年収の一定割合として仮置きします。この割合が14%なのか15%なのか16%なのかで、出てくる金額が変わります。
| 社会保険料の仮定 | 年収500万円・独身の上限額 |
|---|---|
| 14% | 高めに出る |
| 15% | 中間 |
| 16% | 低めに出る |
差は数千円です。当サイトの限度額早見表は15%で計算しています。
2 どの年度の税制で計算しているか
2025年から2026年にかけて、基礎控除と給与所得控除が続けて改正されました。
改正前の税制で作られた早見表やシミュレーターは、更新されるまで古い数字を出し続けます。19歳から22歳のお子さんがいる世帯は特に差が出ます。特定親族特別控除が新設され、課税所得の計算が変わったためです。
ページの更新日と、どの年分の税制で計算しているかの記載を見てください。書かれていないシミュレーターは、根拠を確認できません。
3 簡易版か詳細版か
| 種類 | 入力するもの | 精度 |
|---|---|---|
| かんたんシミュレーター | 年収と家族構成だけ | 目安。前提は固定 |
| 詳細シミュレーター | 源泉徴収票の各項目 | 実額に近い |
簡易版は入力が2つか3つしかありません。社会保険料も他の控除も仮定で埋めています。簡易版どうしで金額を比べても意味がありません。仮定が違うだけだからです。
どの数字を使えばよいか
次の順番で詰めるのが確実です。
- 早見表や簡易シミュレーターで、おおよその枠を把握する
- 源泉徴収票または給与明細を用意する
- 詳細シミュレーターに社会保険料の実額を入れて計算する
- 住宅ローン控除、医療費控除、iDeCoがあれば入力する
- 出た金額の8割程度に抑えて寄付する
最後の8割が実務的な保険です。年末に予想外の収入があったり、社会保険料が想定より高かったりすると上限は下がります。上限を下回るぶんの損は2,000円で済みますが、超えた分はまるごと自己負担です。非対称なので、低めに見積もるほうが合理的です。
源泉徴収票のどこを見るか
詳細シミュレーターで使う主な項目です。
| 入力項目 | 源泉徴収票の欄 |
|---|---|
| 給与収入 | 支払金額 |
| 社会保険料 | 社会保険料等の金額 |
| 生命保険料控除 | 生命保険料の控除額 |
| 地震保険料控除 | 地震保険料の控除額 |
| 扶養親族 | 控除対象扶養親族の数 |
支払金額は手取りではなく、税金や社会保険料が引かれる前の金額です。ここを手取りで入れると、上限が小さく出ます。
シミュレーターで出ない要素
入力欄がないために、結果に反映されない要素があります。
- 住宅ローン控除(簡易版では入力できないことが多い)
- その年の後半に決まる賞与や残業代
- 年の途中の転職、育休、時短勤務
- 不動産や株式の売却益
- ふるさと納税以外の寄付
上から2つは、金額の大きい方ほど影響します。該当する方は、詳細シミュレーターでも余裕を見てください。収入が動いた年の考え方はふるさと納税はいつの年収で計算するかにまとめています。
前提が書かれていない表は使わない
早見表やシミュレーターを見るときの判断基準は、社会保険料の仮定と、どの年分の税制かが書かれているかです。この2つが書かれていれば、自分の条件とどれだけ離れているかを判断できます。書かれていなければ、数字の根拠を確かめる手段がありません。
当サイトの早見表には算出の前提を記事内に明記しています。社会保険料15%、所得税は令和8年分、住民税は令和9年度分で計算しています。
よくある質問
いちばん高い金額を出したサイトを信じてよいですか
おすすめしません。高く出るのは、社会保険料を低く仮定しているか、他の控除を考慮していないためです。上限を超えると差額は自己負担になります。
自治体の窓口で正確な金額を教えてもらえますか
お住まいの自治体の住民税担当課で相談できます。ただし、その年の収入が確定していない時点では確定値は出せません。
共働きの場合はどちらで計算しますか
それぞれ別に計算します。上限額は個人ごとに決まるため、夫婦で合算することはできません。収入が多いほうの名義で寄付すると、枠は大きくなります。
ふるさと納税の上限を超えたかどうかは、あとで分かりますか
翌年6月の住民税決定通知書で確認できます。確認の仕方はふるさと納税の控除を確認する方法にまとめました。
まとめ
- 金額が違うのは、社会保険料の仮定と税制の適用年度が違うため
- 簡易版どうしを比べても意味がない
- 源泉徴収票を使って詳細シミュレーターで計算し直す
- 出た金額の8割程度に抑える
- 前提が書かれていない早見表は根拠を確認できない
当サイトの年収・家族構成別の限度額早見表には、計算の前提と検証の結果を記載しています。制度そのものはふるさと納税の仕組みを完全解説をご覧ください。
当サイトは税理士事務所ではありません。上限額の最終的な判断は各ポータルサイトの詳細シミュレーションやお住まいの自治体の窓口でご確認ください。
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