SHARE:

ふるさと納税の魚介返礼品の選び方|国産・安心で選ぶ8つの基準

ふるさと納税の魚介返礼品の選び方|国産・安心で選ぶ8つの基準

ふるさと納税の魚介類は、当たり外れの差が大きいジャンルです。同じ1万円の寄付でも、届いたときの満足度はまるで違います。

差がつくのは値段ではなく、表示の読み方です。このサイトでは食品衛生責任者の立場から、返礼品のページに書かれている情報のどこを見れば失敗しないかという視点で整理しています。

最初に決めるのは魚種ではなく、食べ方です

魚種から選び始めると、たいてい失敗します。冷凍庫に入らなかったり、さばけなかったり、家族が食べきれなかったりするからです。

先に決めるのは次の3つです。

  • そのまま食べたいのか、調理するのか
  • 一度で食べきるのか、小分けにして使うのか
  • 冷凍庫にどれだけ空きがあるのか

たとえば「刺身でそのまま」「小分けで使いたい」「冷凍庫は狭い」であれば、選ぶべきはいくらや明太子、サーモンの切り身です。毛ガニ一杯を選ぶと、置き場所に困ったうえ、さばくのに苦労します。

この3つが決まると、候補は自然に絞られます。

返礼品ページで見るべき4つの表示

「養殖」と「解凍」の表示は義務です

あまり知られていませんが、生鮮の水産物には「養殖」と「解凍」の表示が法律で義務づけられています。養殖されたものには養殖と、冷凍したものを解凍して売る場合には解凍と書かなければなりません。

ここが返礼品選びで効いてきます。「生」と書いてあるのに実際は解凍品だった、ということは、表示が正しく行われている限り起こりません。逆に言えば、表示のない商品ページは情報が足りないと判断できます。

注意点として、容器包装に入れずに量り売りする場合はこの表示義務がかかりません。ふるさと納税の返礼品はほぼ包装されて届くので、通常は表示があるものと考えて構いません。

産地は水域名か都道府県名で書かれます

国産の水産物は、獲れた水域名か地域名で産地を表示します。「金目鯛(銚子沖)」「しじみ(宍道湖)」のような書き方です。養殖の場合は、主たる養殖場がある都道府県名になります。

輸入品は原産国名の表示です。「ミナミマグロ(オーストラリア)」のようになります。

ここで気をつけたいのが、自治体名と産地は必ずしも一致しないという点です。ふるさと納税には地場産品の基準がありますが、加工や製造を地元で行っていれば返礼品として認められる場合があります。原料の産地が気になる方は、自治体名ではなく産地表示のほうを見てください。

内容量は総重量か可食部かを確認する

ここがいちばん失敗しやすいところです。

魚介類の重量表記には、殻や骨を含む総重量で書かれているものと、食べられる部分だけで書かれているものがあります。カニは特に差が大きく、1kgと書かれていても実際に食べられるのは3割から4割程度ということが珍しくありません。

また、冷凍品には凍結時に表面をコーティングする氷の膜が付いていることがあります。これは品質を保つための処理で問題のあるものではありませんが、この氷を含めた重量で表記されている場合、解凍後の実際の量は表記より減ります。「解凍後◯g」と書かれている商品は、その点で親切です。

比較するときは、金額ではなく可食部100gあたりの寄付額に直すと判断しやすくなります。

「訳あり」が何の訳なのかを読む

訳あり品は狙い目ですが、訳の中身によります。

訳の内容味への影響判断
サイズや形が不揃いほぼなし買い。量が増えるぶん得
切り落とし、端材ほぼなし買い。加熱調理なら気にならない
皮や身に傷があるほぼなし買い。切り身にすれば分からない
脚折れ、欠け(カニ)なし買い。見栄えを気にしないなら最有力
賞味期限が近いなし冷凍庫の空きと相談
理由の記載がない不明避ける

理由が具体的に書かれている訳あり品は、むしろ良心的です。訳が書かれていない訳あり品だけは避けてください。

養殖と天然、どちらを選ぶか

天然のほうが上等という思い込みがありますが、返礼品に限れば養殖のほうが満足度は安定します。

理由は品質のばらつきです。天然物は季節や個体で脂の乗りが変わります。当たれば素晴らしいのですが、外すこともあります。養殖は餌と環境が管理されているぶん、脂の乗りや身質が揃っています。届くまで中身が見えないふるさと納税では、この安定性が効きます。

加えて、養殖魚は水揚げから加工までの時間が短く管理されているため、鮮度の面でも有利なことが多いです。

天然を選ぶなら、旬の時期の指定がある返礼品を選んでください。「◯月から順次発送」と書かれているものは、いちばんよい時期に合わせて送ってくれるという意味です。

生で食べるなら冷凍履歴を確認する

刺身で食べる予定なら、アニサキス対策として冷凍されているかを確認してください。

厚生労働省は、アニサキスの予防条件としてマイナス20度で24時間以上の冷凍、または60度で1分、70度以上の加熱を示しています。家庭用の冷凍庫はマイナス18度程度のものが多く、条件を満たさない場合があります。

ここで覚えておいていただきたいのが、酢じめ、塩漬け、しょうゆ、わさびではアニサキスは死なないということです。厚生労働省のリーフレットにも明記されています。しめさばなら安全という理解は誤りです。

生食用として売られている冷凍品は、この基準を満たした処理がされています。刺身で食べるなら「生食用」と書かれた冷凍品を選ぶのが、いちばん確実です。

なお養殖魚は、餌の管理によりアニサキスのリスクが天然魚より低いとされています。生食を前提にするなら、この点でも養殖に分があります。

金額帯別の狙い目

上限額の枠をどう使うかの目安です。

寄付額狙い目失敗しにくさ
5,000円から1万円明太子、海苔、わかめ、しらす、干物失敗しにくい、
冷凍庫を圧迫しない
1万円から2万円いくら、サーモンの切り身、ホタテ、えび失敗しにくい、
いちばん無難な帯
2万円から5万円うなぎ、うに、カニ、海鮮セット内容を要確認。
食べられる部分が何kgなのかの確認が必須
5万円以上定期便、まるごと一尾、詰め合わせ高額なので要確認。
冷凍庫と発送時期の調整が要る

初めての方には、1万円から2万円の帯をおすすめします。選択肢が最も多く、量も家庭で扱いやすく、冷凍庫にも収まります。

ご自身の上限額がまだわからない場合は、年収・家族構成別の限度額早見表で確認してから選んでください。

届いてからの失敗を防ぐ

冷凍庫の空きを先に測る

魚介の返礼品でいちばん多い失敗が、これです。カニ一杯やうなぎの詰め合わせは、想像より場所を取ります。申し込む前に冷凍庫を整理して、実際に入るかを確認してください。

複数の自治体に分ける場合は、発送時期がばらけるように選ぶと安全です。同じ週に3箱届くと、入りきりません。

発送時期の指定があるかを見る

旬に合わせて発送される返礼品は、申し込みから数か月後に届くことがあります。年末に申し込んだカニが翌年の秋に届く、ということも起こります。急ぎの場合は「随時発送」「7日以内に発送」と書かれたものを選んでください。

解凍方法を守る

冷凍の魚介は、解凍で味が決まります。基本は冷蔵庫でゆっくり解凍です。常温や流水での急速解凍は、ドリップが出て旨味が逃げます。時間がかかりますが、前日の夜に冷蔵庫へ移しておくだけです。

商品に解凍方法の指定があれば、それに従ってください。半解凍で食べるべきものを完全に解凍してしまうと、食感が落ちます。

魚種別に選ぶときの要点

主な魚介について、見るべきポイントをまとめます。

魚種確認すること
カニ種類(ズワイ、タラバ、毛ガニ)と、総重量か可食部か。脚折れの訳あり品が狙い目
いくら醤油漬けか塩漬けか。小分けパックかどうか。解凍後は日持ちしない
ホタテ玉冷(生食用)か、ボイルか。粒のサイズ表記(Sから3Lなど)
鮭・サーモン種類(銀鮭、紅鮭、トラウト)と、甘塩か辛塩か。骨取り加工の有無
うなぎ国産か輸入か。一尾のグラム数。タレの有無
えび殻付きか、むき身か。サイズと尾数
うにミョウバン不使用かどうか。無添加は味が違うが日持ちしない
明太子一本ものか切れ子か。辛さの度合い。着色料の有無
牡蠣生食用か加熱用か。産地と時期
海苔・わかめ産地と収穫時期。一番摘みかどうか

それぞれの詳しい選び方は、個別の記事で解説しています。

まとめ

魚介の返礼品選びは、次の順番で考えると外しません。

  • 魚種より先に、食べ方と冷凍庫の空きを決める
  • 養殖と解凍の表示、産地表示を読む
  • 内容量が総重量か可食部かを確認する
  • 訳ありは、訳の内容が書かれているものを選ぶ
  • 刺身で食べるなら生食用の冷凍品を選ぶ
  • 迷ったら1万円から2万円の帯にする

制度そのものがまだよくわからないという方は、ふるさと納税の仕組みを完全解説から読んでいただくとつながりがよいはずです。

なお、食品表示や衛生に関する基準は改正されることがあります。アニサキスの予防条件は厚生労働省の資料、水産物の表示ルールは消費者庁および各自治体の案内が一次情報です。気になる点はそちらもあわせてご確認ください。

あなたへのおすすめ