ふるさと納税のデメリット|損をする7つのケース
ふるさと納税は、条件を満たして手続きをすれば確実に得をする制度です。それでも損をする方が毎年いるのは、落とし穴が決まった場所にあるからです。
この記事では、実際に損につながるケースを挙げます。読んだうえで、自分に当てはまらないかを確認してください。
1 上限額を超えると、超えた分はまるごと自己負担
いちばん金額の大きい失敗です。控除される金額には上限があり、超えた分は税金から差し引かれません。上限6万円の方が10万円寄付すると、超過した4万円は純粋な持ち出しです。返礼品は受け取れますが、4万円を払って1万2,000円相当の品を買った計算になります。
上限は収入と家族構成で一人ひとり違います。目安は年収・家族構成別の限度額早見表で確認できますが、早見表はあくまで目安です。出した金額の8割程度に抑えておくと、超過の心配がほぼなくなります。
2 手続きを忘れると、ただの寄付で終わる
申し込んで返礼品を受け取っただけでは、控除は起きません。ワンストップ特例の申請か確定申告が必要です。
とくに多いのが次の2つです。
- ワンストップ特例の申請書を、翌年1月10日までに出し忘れた
- 医療費控除などで確定申告をしたのに、ふるさと納税の寄付を書き忘れた
2つ目は見落としやすい失敗です。確定申告をすると、提出済みのワンストップ特例は無効になります。申告書に寄付を書かなければ、控除は一切受けられません。
なお、期限を過ぎても5年以内なら還付申告ができます。気づいた時点で取り戻せます。
3 名義が違うと控除されない
控除を受けられるのは、寄付をした本人の税金からだけです。
夫の控除枠を使うつもりで妻の名義で申し込むと、夫の税金からは差し引かれません。妻に十分な収入がなければ、その寄付は控除されずに終わります。申込者、支払い名義、申請書の名義は同じ方にそろえてください。
クレジットカードの名義にも注意が必要です。家族カードで申し込むと、カードの名義人と申込者が食い違うことがあります。
4 現金が先に出ていく
寄付をした時点で現金は出ていき、戻ってくるのは翌年です。所得税の還付は申告から1か月から2か月後、住民税の減額は6月以降の給与天引きに反映されます。10万円寄付すれば、その10万円は年内に出ていきます。
年末に上限いっぱいまで寄付して、年明けの支出で困るという話は毎年聞きます。生活費の余裕と相談して金額を決めてください。
5 住宅ローン控除やiDeCoと重なると枠が減る
他の控除を受けている方は、ふるさと納税で差し引ける余地がその分だけ減ります。
| 併用するもの | 影響 |
|---|---|
| 住宅ローン控除 | 控除額が大きい入居初期ほど上限が下がる |
| 医療費控除 | 課税所得が下がるぶん上限も下がる |
| iDeCo、小規模企業共済 | 掛金が全額所得控除になり上限が下がる |
| ほかの寄付金控除 | 合算して計算されるため上限が変わる |
早見表の数字はこれらを考慮していません。当てはまる方は、必ず詳細シミュレーションで計算し直してください。
とくに住宅ローン控除とワンストップ特例の組み合わせは注意が必要です。ワンストップ特例では控除が住民税に寄るため、住宅ローン控除の所得税分と競合しにくいという違いもあります。金額が大きい方は、確定申告とどちらが有利かを一度計算しておくと安心です。
6 収入が変わった年は読みを外しやすい
上限額は寄付をする年の収入で決まります。前年の源泉徴収票ではありません。
転職、退職、産休育休、時短勤務。いずれも年収が想定と変わります。年の途中で収入が下がった方が、前年の感覚で寄付をすると上限を超えます。詳しくはふるさと納税はいつの年収で計算するかにまとめました。
7 住んでいる自治体の税収は減る
ふるさと納税は、本来住んでいる自治体に納めるはずだった住民税を、別の自治体に移す制度です。寄付先には税収が増えますが、お住まいの自治体の税収はその分減ります。
減った分の一部は地方交付税で補われる仕組みがありますが、交付税の不交付団体では補填がありません。都市部の自治体ほど影響が大きくなります。
これは個人の損得ではなく、制度そのものへの指摘です。納得したうえで利用するかどうかを決めてください。
返礼品そのものの失敗
制度ではなく、選び方で損をするケースもあります。
- 内容量が総重量表記で、食べられる部分が想像より少なかった
- 冷凍庫に入らず、置き場所に困った
- 旬待ちの返礼品で、届くのが半年後だった
- 解凍に失敗して味が落ちた
- 一度に届きすぎて食べきれなかった
どれも事前に防げます。表示の読み方と内容量の見方は魚介返礼品の選び方にまとめました。カニのように殻を含む総重量で書かれる返礼品は、特に差が出ます。
それでも使う価値があるか
ここまで挙げたうち、1から6まではすべて事前の確認で防げます。
- 上限額を確認し、8割に抑える
- 手続きの期限を決めておく
- 名義をそろえる
- 支払いの余裕を見る
- 他の控除があれば計算し直す
- その年の収入で判断する
この6つを押さえれば、2,000円の負担で返礼品を受け取れる制度として機能します。7つ目だけは制度への評価の問題なので、ご自身の考えで判断してください。
よくある質問
収入が少ないと意味がありませんか
住民税と所得税を納めていない方は、差し引かれる税金がないため控除を受けられません。扶養の範囲内で働いている方や、収入のない方は対象外です。目安はふるさと納税をやるべき年収はいくらからかにまとめています。
確定申告が面倒です
寄付先が5自治体以内で、ほかに申告の理由がなければワンストップ特例で済みます。申請書を郵送するだけです。
返礼品に税金はかかりますか
一時所得として扱われますが、年間50万円の特別控除があります。他に一時所得がなければ、通常の利用で課税されることはありません。
まとめ
- 上限超過、手続き忘れ、名義違いが三大失敗
- 現金は先に出ていき、戻るのは翌年
- 住宅ローン控除やiDeCoがあると上限が下がる
- 上限は寄付をする年の収入で決まる
- 住んでいる自治体の税収は減る。これは制度そのものへの指摘
仕組みから確認したい方はふるさと納税の仕組みを完全解説を、上限額を知りたい方は年収・家族構成別の限度額早見表をご覧ください。
控除額や併用の可否は個別の事情によって変わります。金額が大きい場合は、お住まいの自治体の窓口または税理士にご確認ください。
レビューの多い返礼品
レビュー件数の多い順に並べています。寄付額や内容量ではなく、実際に申し込まれた数で選んだものです。
訳あり 干物 1.5kg ~ 4.5kg 発送時期が選べる 容量 選べる 詰め合わせ
7,000円の寄付
- 内容量 1,500g〜4,500g
- 内容量の目安 約2,143g/万円
- 訳あり
常連 4.76 いくら いくら醤油漬け 200g 400g 800g 1.6kg
16,000円の寄付
- 内容量 200g〜2,400g
- 可食部の目安 約125g/万円
- 小分け
枠が決まったら、返礼品を選びます
魚介の返礼品ふるさと納税の魚介返礼品の選び方|国産・安心で選ぶ8つの基準ふるさと納税で魚介の返礼品を選ぶときの基準をまとめました。養殖と解凍の表示ルール、産地の読み方、内容量の落とし穴、アニサキス対策、金額帯別の狙い目まで、届いてから後悔しないための見方を…魚介の返礼品ふるさと納税のいくら 自治体別おすすめ比較|小分けかどうかで決まりますふるさと納税のいくらを自治体別に比較しました。876件のデータから寄付額1万円あたりの量を調べ、秋鮭と鱒の違い、小分けがなぜ重要なのか、筋子との違い、解凍と保存まで解説します。
魚介の返礼品ふるさと納税のえび 自治体別おすすめ比較|量で選ぶか、姿で選ぶかふるさと納税のえびを自治体別に比較しました。1,260件のデータから寄付額1万円あたりの内容量を調べ、むきえび・バナメイ・甘えび・車海老・伊勢海老の違いを数字で示しています。殻付きとむ…
あわせて読みたい
ふるさと納税の基礎ふるさと納税の仕組みを完全解説|初めてでも迷わない全体像ふるさと納税の仕組みを、寄付から控除までの流れで解説します。自己負担2,000円の意味、上限額を超えたときの扱い、ワンストップ特例と確定申告の違い、2025年10月のポイント付与禁止ま…ふるさと納税の基礎ふるさと納税のポイント付与禁止後、どう選ぶのが正解か2025年10月のポイント付与禁止で、ふるさと納税のサイト選びに意味がなくなりました。代わりに何を基準にすればよいのか、還元率で差がつかない理由、内容量で比べる方法を解説します。
ふるさと納税の基礎ふるさと納税のワンストップ特例|申請のやり方と1月10日の期限ふるさと納税のワンストップ特例について、使える条件、申請書の書き方、必要な本人確認書類、翌年1月10日必着の期限、間に合わなかったときの対処までまとめました。5自治体の数え方も解説しま…